本研究の目的は、1997年1月から2006年5月まで続いた沖縄・名護市辺野古の海上基地建設(「普天間基地移設」・沖合案)反対運動について、次のことを行うことである。 1.この運動の特質を解明する。2.参加者のライフヒストリーにおける、この運動への参加の位置を明らかにする、3.この運動の社会運動論的把握と、社会運動論の再検討を同時におこなう。 本年度は、研究目的の1.を達成するため、参加者名簿を「ヘリ基地反対協」から借り出し、学生アルバイトを使って集計した。また、「ヘリ基地反対協」の事務局員Sさんが週2回発行しているミニ・ニュース『NO BASE』のバックナンバー(2006年3月末分まで)をコピーさせてもらった。 研究目的の2.を達成するために、2008年7月28日〜8月8日、9月16日〜22日、10月30日〜11月3日、2009年2月4日〜8日、2月18日〜22日、3月2日〜7日に沖縄県名護市に出張し、運動参加者からのライフヒストリー・インタビューを実施した。このうち、2008年10〜11月の出張と2009年3月の出張には、専修大学大学院任期制助手・服部あさこさんに同行してもらい、女性に対するライフヒストリー・インタビューを集中的に実施した。なお、研究目的3.を達成するための活動は、服部あさごさんとの3回の研究会での検討にとどまった。
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