本研究の目的は、1997年1月から2006年5月まで続いた沖縄・名護市辺野古の海上基地建設(「普天間基地移設」・沖合案)反対運動について、次のことを行うことである。1. この運動の特質を解明する。2. 参加者のライフヒストリーにおける、この運動への参加の位置を明らかにする、3. この運動の社会運動論的把握と、社会運動論の再検討を同時におこなう。 本年度は、研究目的の1.を達成するため、2009年4月30日~5月7日、8月5日~11日、9月10日~17日、2010年1月22日~25日、2月15日~20日、3.月1日~8日に名護市辺野古を中心に沖縄県に出張し、名護市辺野古の海上基地建設(「普天間基地移設」・沖合案)反対運動に関する資料を収集した。 また、研究目的の2.を達成するために、上記出張期間に運動参加者からのライフヒストリー・インタビューを実施した。このうち、2009年4月30日~5月7日の出張には、神奈川大学人間科学部非常勤講師・服部あさとさんと元専修大学大学院文学研究科社会学専攻院生・内山唱さんに同行してもらい、女性および沖縄戦時の座間味島における集団自決目撃者に対するライフヒストリー・インタビューを集中的に実施した。 なお、研究目的3.を達成するための活動は、服部あさこさんとの3回の研究会での検討にとどまった。
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