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2008 年度 実績報告書

ライフストーリー・アーカイヴ現象にみる<個人の歴史化>と世代継承性の経験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530482
研究機関日本女子大学

研究代表者

小林 多寿子  日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50198793)

キーワードライフストーリー / アーカイヴ / オーラルヒストリー / 個人の歴史化 / 世代継承性 / 共時的現象 / 戦争体験 / 質的研究
研究概要

本研究の目的は1990年代後半から顕著になってきたライフストーリー・アーカイヴ化の動向に着目し、その実態を把握するとともに、戦後、さまざまな文章運動や自分史ブームのなかで書かれてきた膨大なライフストーリーがアーカイヴ化のなかで個人的経験の語りから「歴史」へ変容する過程とこの動向が他国でも共時的現象であることの現代的意味を社会学的に解明することにある。戦後書かれたライフストーリー作品のゆくえをたどり、書かれたライフストーリーがどこでどのような場所を占め、いかなる意義をはたしているのかライフストーリー・アーカイヴ現象として注目し、その実際を明らかにするとともにアーカイヴ現象の社会学的意味を<個人の歴史化>と世代継承性という観点から実証的に調査研究することをめざしている。この研究課題の下、第一年めの本年度はライフストーリー・アーカイヴの実態調査を中心に、(1)アーカイヴの実態把握、(2)アーカイヴ関係者のインタビュー調査、(3)多様なアーカイヴの動向調査という3つの調査研究に取り組んだ。アーカイヴの実態把握の過程でとくに戦争体験のアーカイヴ化が各地で進んでいることがわかり、広島と沖縄に重点化して現地調査をおこなった。広島では個人の被爆体験記のアーカイヴ化を進める国立広島原爆死没者追悼祈念館、沖縄では沖縄戦体験記を収集展示する沖縄県平和祈念資料館やひめゆり平和祈念資料館、沖縄県公文書館で関係者へのインタビュー調査を実施した。またアメリカ合衆国における日系アメリカ人の第二次世界大戦中の強制収容体験を中心とするオーラルヒストリーのデジタル・アーカイヴ化をすすめる「Densho」プロジェクトの先端性に注目し、シアトルでプロジェクト関係者にインタビュー調査も実施し、日米両国で多様なライフストーリー・アーカイヴ化の実態調査をおこなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] オーラルストーリーと個人の「歴史化」-ある日系アメリカ人一世の「ライフ」への視点-2008

    • 著者名/発表者名
      小林多寿子
    • 雑誌名

      フォーラム現代社会学 7号

      ページ: 49-61

  • [雑誌論文] 自己を書くことと記憶-アルヴァクスの自伝的記憶-2008

    • 著者名/発表者名
      小林多寿子
    • 雑誌名

      心理学評論 Vol. 51No. 1

      ページ: 184-195

    • 査読あり
  • [図書] 「ミニドカを語り継ぐ一日系アメリカ人のインターメント経験とジェネラティヴィティー」『過去を忘れない-語り継ぐ経験の社会学』2008

    • 著者名/発表者名
      小林多寿子
    • 総ページ数
      20-34
    • 出版者
      せりか書房

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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