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2010 年度 実績報告書

「戦後沖縄文学」の社会学:文化表象論と文学制度論からの接近

研究課題

研究課題/領域番号 20530483
研究機関法政大学

研究代表者

鈴木 智之  法政大学, 社会学部, 教授 (80235978)

研究分担者 与那覇 恵子  東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (00220757)
塩月 亮子  跡見学園女子大学, マネジメント学部, 教授 (90297979)
キーワード文化 / 宗教 / 社会意識 / 文学
研究概要

本年度は、科研費補助金交付の最終年度にあたるため、これまでの研究成果のまとめと報告、ならびに残されている課題の整理、さらなる研究課題の抽出に努めてきた。
従来通り、月に1回ずつの研究会を東京(法政大学)において開催し、研究代表者・分担者・協力者の研究論文についての報告と討議を行いつつ、新たに刊行された沖縄文学関連の作品・研究論文・研究書についての講読と検討を重ねた。
また、「沖縄文学」についての社会学的研究の主題的な広がりを確認しつつ、周辺的な領域との相互作用を活性化する目的で、2回のシンポジウムを開催した。この2回のシンポジウムでは、「沖縄文学」と「沖縄表象」に関わる主題を中心に置きながらも、その射程を「沖縄」の「文学」に限定せず、より広範な文学・芸術実践につきあわせながら論じていくことを試みた。第1回目のシンポジウムは、「文学における言語的越境」を主題とし、言葉と言葉の「狭間」を語り続けている作家・多和田葉子氏を招き、その文学的創造の方法を論じるとともに、沖縄において「日本語」と「シマことば」の境界を越え出ようとすることの意義を、主に崎山多美氏の作品に焦点をおいて検討した。第2回目のシンポジウムでは、「映像」へと視線を広げ、今沖縄において、沖縄を撮るという営みが、どのような状況の中で展開されているのかを論じた。映画『アコークロー』、テレビシリーズ『琉神マブヤー』、『オキナワノコワイハナシ』などの制作・監督をてがける、山田優樹氏・岸本司氏・川端匠志氏を招き、その制作の意図・舞台裏などをうかがうとともに、映像作品の社会学的な分析を試みた。
さらに、現時点での研究成果の報告として、研究成果報告書『戦後沖縄文学と沖縄表象』を作成した。「制度論」的な視点を含んだ形での、沖縄文学表象についての論文集という性格を持つ報告書であり、上記のシンポジウムでの報告内容もここに収録されている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] 文学制度の「周辺性」と「脆弱性」-場の自律性とその地域的条件についての考察2011

    • 著者名/発表者名
      鈴木智之
    • 雑誌名

      社会志林

      巻: 57巻4号 ページ: 207-222

  • [雑誌論文] 「沖縄方言」を書くことをめぐる政治学-作家・大城立裕の文体論とその社会的文脈2011

    • 著者名/発表者名
      松下優一
    • 雑誌名

      慶應義塾大学社会学研究科紀要

      巻: 第70号 ページ: 55-72

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 象られた島の記憶-崎山多美『シマ籠る』(1990年)における『回帰』の身振り-2010

    • 著者名/発表者名
      鈴木智之
    • 雑誌名

      現代史研究

      巻: 第6号 ページ: 55-79

  • [雑誌論文] ディストピア的越境-崎山多美『ゆらていくゆりていく』における「狭間」2010

    • 著者名/発表者名
      ヴィクトリア・ヤング
    • 雑誌名

      琉球・沖縄研究

      巻: 第3号 ページ: 98-114

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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