研究課題/領域番号 |
20530484
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
小玉 美意子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10231482)
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研究分担者 |
小田原 敏 武蔵大学, 社会学部, 教授 (60268323)
イシ アンジェロ 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (20386353)
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キーワード | オリンピック / テレビニュース / ニュース / 視聴者 / オーディエンス / イメージ / スポーツ / テレビ |
研究概要 |
本研究の目的は北京オリンピック開催時期における日本のテレビニュース内容と、視聴者がオリンピック前に持っていた中国に関する知識・イメージがどのように変化したかを明らかにすることである。第一に、内容分析によりオリンピック開催期間中とその前後の日本の夜のテレビニュース内容から中国がどのように報道されたかを抽出・分析した。その結果2008年前半、日本の中国関連のニュースはチベット暴動や四川大地震、中国製冷凍餃子中毒事件ニュース等で占められていたが、北京オリンピックはその開催と同時に「中国」に関する中心的情報となり、それ以外の中国関連ニュースを周縁的な小さな情報へと位置づけた。第二に、オリンピック前後の2回、10〜60代以上の六つの年齢層と属性を代表する視聴者のパネル調査(各サンプル624名男女同数で312名ずつ)をインターネットで実施し、中国に対するイメージの実態と変化を調査した。その結果、夜のテレビニュースを通じオリンピック情報に触れた人々のテレビに対する評価は、人によって分かれる傾向にあった。番組評価や視聴者のニーズからテレビはナショナルな関心に応えるメディアとしての認識が持たれ、競技内容、映し出された人々の扱いについて「偏りがある」と考え、画一的な報道が多く評価はやや厳しかった。第三に、人々の中国に関する意識を質的に把握すべくフォーカスグループインタビュー(若年層:20・30代男女各7名、中年層:40・50代男女各8名)をオリンピック終了約2週間後に実施した。二つの世代はイメージ形成のプロセスが異なる。しかし双方とも北京オリンピック報道によって中国イメージが変わりにくいことが明らかになった。
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