研究課題/領域番号 |
20530484
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
小玉 美意子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10231482)
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研究分担者 |
小田原 敏 武蔵大学, 社会学部, 教授 (60268323)
イシ アンジェロ 武蔵大学, 社会学部, 准教授 (20386353)
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キーワード | オリンピック / テレビニュース / ニュース / 視聴者 / オーディエンス / イメージ / スポーツ / テレビ |
研究概要 |
テレビニュースにおける北京オリンピック報道と視聴者の対中国意識における変化の有無を探るためにこれまで実施した四つの調査についてまとめを行った。第一の調査はインターネットによる全国調査である「視聴者の対中国意識調査」(北京オリンピックの開催前・後の2回)、第二の調査は、日本の平日夜の「テレビニュース内容分析」(調査対象番組は『NHKニュース7』、『NEWS ZERO』、『NEWS23』、『ニュースJAPAN』+『すぽると』、『報道ステーション』)。第三の調査はニュースの「意味の構築過程をさぐるためのフォーカス・グループ・インタビュ0」、第四の調査は「中国中央電視台(CCTV)関係者へのインタビュー調査」である。 2008年前半、日本のテレビを賑わしていた中国関連のニュースは、チベット暴動や四川大地震、中国製冷凍餃子中毒事件などであった。しかし北京オリンピック開催と同時に、オリンピック関連ニュースは中国情報の多くを占めるようになり(「スポーツ」78.4%)、それ以外の中国関連ニュースを相対的に周縁的情報にしたことが、テレビニュース内容分析より明らかとなった。 また、インターネットによる全国調査やフォーカス・グループ・インタビューの結果から、中国や中国に住まう人々についての認識にオリンピック前後で部分的に変化があった。今後テレビの報道内容によって、特に若い世代は中国や中国人イメージに変化の余地があることが示唆された。 一方、CCTVのオリンピック報道における方針は(1)人物中心、(2)試合(の現場)中心、(3)国際的視野であった。この三大方針に基づいて行われた北京オリンピック報道は国内外において成功したと関係者は述べている。オリンピック報道のために新たな技術も採用され、普段少ない生放送も行われた。今後は日本のマス・メディアが中国での国際的イベントを報道するパターンの解明していく。
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