本研究では1980年前後から職業生活を開始したサラリーマン男女101名分の職業キャリアを中心としたライフコースデータを収集し、職業キャリアに生じた構造的変化を個人水準で観察した。本研究をとおして、サラリーマン男女の働き方が、企業社会における終身雇用制・年功序列制のゆらぎ、男女雇用機会均等法施行、転職労働市場の成立、育児介護休業法等、所属企業の慣行や職場環境、夫婦の働き方や勢力構造、サポートネットワーク、個人の人間行為力Human agencyなど、多元的なコンテクストの影響を受ける動態が明らかとなった。
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