ファミリー・バイオレンスの発生を説明する三つの理論、すなわちリスク要因論、家族システム論、入れ子型エコロジカル理論、についてその有効性と限界をまず検討した。三つのうち入れ子型エコロジカル理論は最も有効であり、諸要因を入れ子状に重なった、マクロシステム、外システム、ミクロシステム、個体発生的要因のいずれかに分類し、その相互作用をみるものである。この理論枠組を用いて、全国都道府県警察本部少年課に対する質問紙調査結果と少年による家庭内暴力の問題に取組む全国の民間団体に対する質問紙調査結果とを分析した。
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