平成21年度には、研究協力者・機関・団体を含めた研究会を定例開催してきた。本研究課題に関する先行研究レビューを行ないつつ、以下の項目に関する調査研究の実施及び実施準備に取り掛かった。 1.前年度に引き続き、京都周辺の自治体並びに当該自治体の市民活動センター、社協ボランティアセンター、家族介護者組織などをフィールドとして、コミュニティとボランタリーアソシエーションとの相互関係について、近隣コミュニティおよびボランティア関係者へのインタビュー調査を行なった。 2.一人で暮らす介護サービス利用者(16人)の暮らしの実態に関するインタビュー調査(2008年9月実施)をもとにした報告書『ひとりで暮らす要介護高齢者-語られた介護と暮らし』(津止正敏・草薙千尋・岸佑太編、立命館大学人間科学研究所、2009年12月)を発行し、関係機関に配布した。 3.障害のある子どもや男性介護者など介護者支援に取り組むボランタリーアソシエーションの全国的動向に関する調査研究を継続して実施した。 4.行政・地域・企業・大学などにて求められるボランティア支援エージェンシー(市民活動センター、ボランタリーセンター)のあり方とその今日的意義と機能についての一定のまとめとして『ボランティアの臨床社会学-あいまいさに潜む「未来」』(クリエイツかもがわ、2009年5月)『ボランティア教育の新地平-サービスラーニングの原理と実践』(ミネルヴァ書房、2009年10月)をまとめ、公刊した。 5.上記の調査研究を通して、ボランタリーアソシエーションの「階層把握」のための構成要素と相関性に着目して指標化・類型化案についての研究を継続した。 6.今年度の本研究は、社会福祉協議会(京都府・京都市・山科区・滋賀県)、男性介護者と支援者の全国ネットワーク、障害のある子どもの放課後保障全国連絡会、などと連携共同して行ってきた。
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