特別養護老人ホーム初任介護職員は、認知症高齢者の日常ケアおいてどのような困難を感じているのか、その具体的内容を明らかにし、初任介護職員に対する教育内容及びサポートについて検討した。 対象は、WAM-NET登録の全国指定介護老人福祉施設のうち、無作為で抽出した300施設の初任介護職員に質問紙調査を行った。有効回答施設は77施設(25.6%)、回答者は137名であった。調査内容は個人属性の他これまで認知症高齢者ケアで最も困難に感じた内容・ケアの場面と時間帯を自由記述で求めた。 倫理的配慮として、無記名封をした個別封筒の返信による質問紙の回収とし、文書にて対象者の匿名性と任意の参加を人のんきした。 対象者の平均年齢は23.5歳(SD6.4)であり女性が80%であった。経験は1年と2年が同程度の比率だった。ケアに困難を感じている時間帯であるが、昼、夜ともに同程度であった。データの分析は内容分析とし、分析対象は、195記録単位であった。その結果、初任介護職員の認知症高齢者ケアの困難内容として(利用者の関わりを起因する困難)の3カテゴリが形成された。さらに3カテゴリは、11の上位サブカテゴリを形成していた。以上から初任介護職員の認知症高齢者へのケアの困難は、高齢者との関わりのみではなく他の要因についても考慮が必要であることが示唆された。
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