ソーシャルワーカーという専門職は、力量形成の契機、専門職としてのキャリア形成の過程で、ジレンマやスレスに晒される頻度が高い。専門職として、またキャリア発展におけるジレンマやスレスは男女共通であるが、出産・育児・介護など家庭生活に関するものは女性特有のものもある。本調査研究は多様な分野で活躍するソーシャルワーカーのライフコースにおけるジレンマとストレスに、個人のライフヒストリーとアンケート調査から迫る所に独創性がある。 またジレンマへの対処方法や解決方法が実在モデルのライフヒストリーとして示され、同業者やソーシャルワーカーを目指す若者に、バーシナウトをふせぐための自己管理やストレス解決への参考となる。同時にジレンマやストレスを自分史として語ることにより、自分のエンパワーメントになり、スーパーヴアイザーや研修指導者の教育システムにも応用可能である。個人のライフヒストリーという質的な実証的研究であり、世代ごとに一定数のアンケート調査を行うことにより、世代や分野に共通なジレンマやストレス、その解決方法や対処法を数量的データーで裹付け、 分析抽出することにより、ライフコースにそったキャリア支援システムに利用可能である。 本年度は国内外の専門職のライフコスのキャリア発展に関する研究、ライフコースにおけるジレンマとストレスに関する先行研究を集め分析を行った。職能団体の日本社会福祉士会の協力を得て、6県での調査を準備した。そのうち3県での調査を実施し、30サンプルを回收した。また2県の協力を得て、ヒアリングの調査研究会を実施した。これらの分析は来年度、アンケート調査やヒアリング調査のサンプル数を80以上にした段階で分析する。現段階ではべテラン女性のライフヒスリトリーを6サンプル集積し、それぞれ家族の影響、特に父親の期待が職業選択、キャリアアップに影響が大きいことが証明された。同時に個人のパーソナリテイの遠いも、最終的なキャリア達成には影響している。またジレシマやストレズにおいて世代での共通点、女性のライフコースでの共通点が証明された。 今後2年でライフヒストリー、アンケート共サンプルを集め、総括的な分析まとめを行う。特にジレンマとストレスヘの対処の方法、それとパーソナリテイとの関係、職場や専門職団体での支援システムについて分析していく。
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