研究概要 |
「研究実施計画」のうちの(4)(5)(6),すなわち,(4)構造的ソーシャルワークが発展したカナダのソーシャルワーク教育プログラムについて調べる.(5)論文にまとめる.(6)構造的ソーシャルワークの発祥の地であるカナダ,オタワ,カールトン大学,スクール・オブ・ソーシャルワークの構造的ソーシャルワークのカリキュラムについて調べ,現地訪問の準備をする.以上を実施した結果,Hugh Shewell, Director, School of Social Workの多大な支援を得て,客員教授として正式な招待を得て,主に教授、スタッフ、学生と活発な交流を行った。具体的には以下に示す通り。Prof. Karen Schwartz, Prof. Therese Jennissen, Prof. Colleen Lundy, Prof. Hugh Shewell, Prof. Behnamと面談。Prof. Gerald, Prof. Behnam, Prof. Hugh Armstrong, Prof. Allan Moscovitchの大学院授業に出席。Ted Jackson, Dean学部長と面談。Dean ApSimonと面談。Prof. Ismaelの学部1年生の授業でプレゼンテーション。Prof. Therese Jennissenの案内による地域活動視察をした。カールトン大学のソーシャルワーク教育では,グローバリゼーションとローカルな視点,移民・難民政策と異民族の多様性の視点,人権と社会正義,国際支援に携わるNGOやNPOにおけるソーシャルワーカーの活躍が日本とは際立って異なる.この点は,「研究実施計画」の残りの(1)(2)(3)の項目とともに,掘り下げて調べる課題として残る.すなわち,(1)わが国の社会構造で,社会の犠牲となっている被抑圧的集団について分析的・批判的に記述する.(2)抑圧的な社会構造の気づきを高め,抑圧からの解放,社会の転換に向けた実践について調べる.(3)社会構造から生ずる抑圧と,抑圧からの解放を焦点とするソーシャルワーク実践の理論的枠組みについて検討する.これらの研究は最終年度に継続していく.
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