平成22年度は、前年度から研究協力いただいている三原市内の『放課後子ども教室』のうち、学校規模・実施開始年度・対象学年の異なる2ヶ所の教室参加児童と養育者および教室運営スタッフ(コーディネーター以外の有償ボランティア:主に地域団体から推薦を受け参加)を対象に質問紙調査を行った。子どもに対しては、『放課後子ども教室』にいる時の気持ち、『放課後子ども教室』がない時の過ごし方等を問う項目を設定し個別面接(高学年には一斉配布・回収)を行った。養育者および教室運営スタッフに対しては、『放課後子ども教室』にいる時の子どもの様子、『放課後子ども教室』参加を通した地域への関心の高まり、『放課後子ども教室』の参加動機と意義(養育者のみ)、子どもと関わる上での悩み(教室運営スタッフのみ)を問う項目等で構成した質問紙を郵送法にて配布・回収した。子どもに対する調査の結果、『放課後子ども教室』にいる時の気持ちとして「わくわくする」「楽しい気分になる」といった高い高揚感が示された。少数ながら、「とりのこされた感じ」や「さびし感じ」を回答する子どもも認められた。また、養育者と教室運営スタッフの回答結果をもとに教室参加時の児童の様子の評価について教室間の比較を行ったところ、教室運営スタッフでは回答に違いは認められなかった。一方、養育者では異なる結果が示された。違いをもたらす要因として、参加児童の年齢幅の広さや養育者が抱く『放課後子ども教室』の意義の違い等が推測される。教室運営スタッフの子どもと関わる上での悩み(自由記述)には、学習支援の程度や方法、注意・制止の判断や養育者の関心・協力度に対する戸惑い等などがあげられた。また、児童との交流を通して「元気をもらう」といった情緒的体験を得ており、教室への継続参加意欲や内容の工夫への動機につながっていることが示唆された。
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