過去2年間の研究成果にもとづき、放課後における子ども・家庭育成支援プログラム(試案)を作成した。また、放課後子ども教室コーディネーター・運営スタッフなど放課後支援の従事者を中心にインタビューを行い、子ども・家庭育成支援プログラム導入上の課題等を明らかにしていった。 放課後子ども教室が、参加児にとって物理的・心理的にも放課後の居場所となるために、参加児同士のみならず地域スタッフとの円滑な対人交流が不可欠である。そのような直接的な対人交流は、参加児の保護者にも地域への関心の広がりにも作用すると考えられる。放課後の居場所づくりには、参加児および近い将来参加の可能性がある児および保護者のニーズを把握し、当該地域の実情と地域住民(地域スタッフ・地域スタッフとなる可能性のある人を含む)の強みとニーズを見出し、実際の活動へと繋ぐ、活動実施後の評価と修正、学校や地域団体といった関係機関間の調整等、マネジメントが重要である。地域との調整役として配置されている放課後子ども教室コーディネーターがそのようなマネジメント機能を備え発揮するために、研修体制の充実の他、権限の強化や身分保障が求められる。 本研究成果を地域に還元するため、研究成果を報告書にまとめ、調査協力者および青少年育成関係者に配布した。また、青少年の健全育成活動に関心のある地域住民を対象とした公益社団法人青少年育成県民会議主催総合講座、青少年育成市民運動推進大会講演会および同団体会報に本調査の一部を紹介した。今後は、子ども・家庭育成支援プログラムの効果検証が求められる。
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