本研究が成果を上げる前提条件として、子どもとその保護者に対して、メディア機器と他人との関係性構築との間に相関関係があることへの理解が必要である。それは、調査を実際に実行する補助者(本学の学生)に対しても同様である。そこで、保育所(2か所)、小学校(3か所)、子育てママサークル(2か所)、各地域(5か所)、本学で、講習会・学習会を継続的に行った。協力者には、保育士、保育園園長、小学校長、教諭、市の生涯学習課の職員、教育委員会の委員、子供会の役員、中学校の教諭、市のこども未来課の職員等お願いををした。山口県の各地で、1か月2回のペースで、学習会を積み上げてきた。それは、2年度初頭から行われる調査の内容の整備と伴って行われているところである。外遊びの促進として、「早寝、早起き、規則正しい食事、外での遊びの奨励」として、寝る前の2時間の行動記録と、起床後1時間の行動記録をある小学校の児童の各学年に実行していただいた。起床時間、朝食の有無、排便、登校までのゆとり、登校時間、帰宅時間、夕食の有無、入浴、排便の有無、就寝までの安静の時間の有無等を観察した。この時間内に、家族との交流の有無、質量、内容が間接的に把握できるように工夫した。また、学校での休み時間や昼休み、放課後などの時間で友人とのかかわりのアンケート調査もしていただいた。これらは先行調査として本調査の土台となることが予定されている。小学校の段階では、過疎地域であるためか、思いの外、子どもたちにメディア機器依存が見られなかった。少数であるが、照ればとゲームに熱中して生活習慣を崩している児童が高学年に見られた。
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