研究課題
本研究の目的は、知的障害について(1)サービス支援決定の方法を中心とした支援評価システムの国際比較を行うことである。本年度の研究は、1.台湾および韓国におけるSupport Intensity Scale(以下SISと略記)に関する研究2.諸外国における支給決定の方法と我が国の方法についての比較を行った。台湾に関しては、SISを翻訳し、使用しているが、それは先進的な地域生活支援を行っている福祉団体によるものであること、3.昨年度実施のインド調査の補足として現地研究協力者であるManuel Thota氏に依頼し、アンドラ州、ヴィシャカバトナム近郊の障害児施設を対象に、SISのサンプリング調査を実施した。また韓国のMIRAL School教頭の金容漢氏のコーディネートで、同校及び同法人の職業訓練校、Korea National institute of Special Education, Daniel Social Welfare Institute等を視察し、資料収集を行うと共に、SISのサンプリング調査を実施した。これらの調査結果は、最終報告書及び論文として投稿予定である。(2)諸外国との比較については、日本知的障害福祉協会の研究に参加し、報告書において5カ国と日本の状況の比較について述べた。その要旨は、我が国の障害者自立支援法の障害程度区分による支給決定は、医学モデルの個人の障害程度に対応した支給を行うことにあり、今後は、世界の本人主体、インクルージョンの理念に沿った支給決定を行う必要があり、スウェーデン、英国などで行われているように利用者のニーズを「信頼できるソーシャルワーカー等の専門家」が聞き取り、ダイレクト・ペイメントを含め、地域社会におけるサービスの創生を含めた方式を整備する必要がある。SISは、こうした支援を中心とした支給決定に向かうための一つの道具とした貢献できると思われる。
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明星大学教育学部研究紀要
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支給決定プロセスに関する海外の実態に関する調査研究報告書(障害者総合福祉推進事業)
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