プロシューマーとしてサービスの受け手から送り手となる構造には、ある状況が整えば新たなプロシューマー・ポジションを生成するプロセスがあることが解明された。一方で状況が整わずプロシューマー・ポジションが生成されない場合は、プロシューマーとしての固有性を生かすことができない《葛藤》におしつぶれてしまい辞職休職へ至ることは少なくない。これまでのコンシューマー・ポジション(サービスの受け手側)とプロバイダー・ポジション(サービスの提供者側)の線形的支援関係から、可変力動的なプロシューマー・ポジションを加えることによってより自由度の高い支援関係を構築することができることが明らかになった。プロシューマーには、消費-提供のバランスを保ち、新たな関係性を構築する固有の機能をもち、さらにリカバリーを継承していくという固有の価値をもつことを明らかにした。プロシューマーが新たな職種として位置づく社会的な意味のみならず、それらが精神保健福祉システムをリカバリー志向に向けてパラダイム変革を引き起こす可能性を持つものである。
|