研究概要 |
今年度は、岡山孤児院の里預制度の内容に関する事例研究を中心に、出身者の『日誌』の翻刻、石井十次資料館での写真資料調査などを実施した。 8月24日から31日まで、宮崎県の石井記念友愛社の石井十次資料館で、岡山孤児院の写真資料などの調査を実施し、1,500枚ほどのデータを収録した。この1,500枚ほどの写真を目録化し、さらに、写真の内容を分析することに取り組むことにしたい。また、岡山孤児院の出身者の昭和9年から同11年(一部)までの『日誌』の翻刻も実施したが、これも毎年順次公刊し、茶臼原農村の形成過程の状況や出身者への岡山孤児院の養護実践の影響を分析していくことにする。 さらに、先の調査などを通して、1917年から1926年の岡山孤児院の里預制の終息期と里親の地区分布の特徴や、岡山孤児院の1917年から1925年の里預け終了児の個別事例の内容と特徴及び茶臼原農村づくりと農場学校の概要などを4本の論文にまとめた。また、10月10日に日本福祉大学で開催された社会福祉学会では、「岡山孤児院の里預制と里親地区の形成の考察-葛城村国ヶ原での里親の専門性とネットワーク形成を中心に-」というテーマで研究報告を実施した。
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