2004(平成16)年度に家庭支援専門相談員が児童養護施設に配置されて以降、ファミリーソーシャルワーカーとしての専門性を形成してきた過程を明らかにするため、2009(平成21)年度は、研究協力者として家庭支援専門相談員6名の参加を得て研究会を9回開催した。 その結果、家庭支援専門相談員が児童養護施設に入所している子どもと家族との再統合に向かう支援について進行管理の役割を担うようになっていることが分かった。施設内職員や児童相談所職員と連携し、また保護者の参加を得て、自立支援計画書を毎年度作成する際に中心的な役割を果たしている。自立支援計画書に記された課題を軽減や解決して、家族再統合などの目標を実現するために、目標を細分化して具体化した実行計画を立てて、支援計画の実施状況を把握して進行管理するケースマネージメントの役割も担い始めている。 家庭支援専門相談員のみがケースワークを担えば良いとは考えず、居室で子どもの生活を担当している保育士や児童指導員もケースワークを担えることを期待している。そのため、保育士や児童指導員がケースワークの視点を持ち、スキルを身に付け、レベルアップしていけるような連携方法が家庭支援専門相談員には必要となっている。 全国の児童養護施設では、家庭支援専門相談員がどの程度までファミリーソーシャルワーカーとしての役割を担うようなっているのかを明らかにするため、家庭支援専門相談員を対象に調査するため質問紙を作成し郵送した。3年目に調査結果を集計し分析する。
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