研究概要 |
1、ソーシャルワーク理論史及びソーシャルワーク業務研究のレビューによる「専門的業務」の再考 2、探索的インタビュー調査の実施(個別インタビュー及びグループインタビュー) 精神科病院に勤務するソーシャルワーカー(以下, PSW)を対象に、個別インタビュー(2件)及びグループインタビュー(2グループ)を実施し、規定のソーシャルワーク業務に分類しにくい違和感のある仕事の具体的内容・それらの仕事が発生する要因・それらの仕事に対するPSWとしての評価と対応に関する実態と傾向を把握した。結果として「病院経営を軸とした営業・広報的活動」「病床機能強化を目的とした入退院促進」「様々な仲介役や代行」「院内管理業務の漏れのチェックやフォロー」などが違和感のある仕事として挙げられたが、そうした仕事が要請される要因がPSWの専門性や院内におけるソーシャルワーク醸成過程から生じている傾向も示された。またPSWはそうした仕事に対して、PSWとしての解釈・修正を加えてソーシャルワークアプローチに転換する試みが伺えた。 3、アンケート調査の実施 上記1,2の結果を踏まえて質問紙を作成し、PSWが行っている多様な業務の実態とそれらに対するPSWの評価・対応の傾向を把握するためアンケート調査を実施した。試作した質問紙(案)を6名のPSWにモニターとして回答して頂き、質問項目の妥当性を検討した上で質問紙を完成させた。アンケート調査対象(質問紙の送付先)は、社団法人日本精神科病院会員病院リスト(HP公開)より等間隔抽出法で選定した606病院のPSWとした。H20年度末までに発送を済ませ、現在回収中である。その結果をH21年度に引継ぎ、データの分析を行う予定である。
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