研究概要 |
1、ソーシャルワーク理論史及びソーシャルワーク業務研究のレビュー,調査結果データの分析概念の検討 2、グループインタビュー調査結果の複合分析及び記述 昨年度実施した精神科病院に勤務するソーシャルワーカー(以下,PSW)へ2つのグループインタビュー(管理職グループ,経験2-5年の若手グループ)から、PSWが違和感を覚える仕事に対する評価・対応について2グループの比較を踏まえた複合分析を行った。その結果、管理職グループは違和感のある仕事に対して積極的にPSWの評価を加えてSW業務へと転換したり、他部署や組織に働きかけていく方向性が示された。また管理職グループではPSWが受ける曖昧な役割期待についてSWニーズの有無を基準に肯定・否定の評価に区別していたのに対して若手グループは曖昧な状況そのものを肯定的に捉える傾向が見受けられた。 3、アンケート調査の実施・回収・集計・一次分析 研究テーマの実態や傾向を把握するために、精神科病院に勤務するPSWにアンケート調査を実施した。調査対象は日本精神科病院会員より抽出した606病院のPSW(1病院に質問紙3部)。昨年度末に質問紙を郵送し今年度5月に回収を終え、集計分析作業を行った。結果は以下の通りである。 ・回収結果:268病院(回収率44.2%)655件の質問紙の回答を得た。 ・PSWの属性:平均年齢32.6歳,平均経験年数7.3年,精神保健福祉士資格保有率992% ・業務範囲限定化の意見:「限定すべきでない」33.9%,「判断に迷う」61.7%,「限定すべきである」4.4%, ・専門性の構成要素(上位3点):パーソナリティ61.4%,価値観59.1%,知識・理論46.1% ・「SWか不明の仕事」(38項目)に対する「実施度」「期待度」「SWの評価」の関連:殆どの項目に相関が見られた。また38項目中「SWの評価」で34項目について「行っても良い」が最も多かった。
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