平成21年度の研究計画に基づき、実施したのは以下の項目である。 1.日本・スウエーデン各1地方自治体比較を行った先行調査の結果の普遍性を検証し、自治体間格差の有無と内容を明確にするために、新しいデータセットの構築と解析手法の再検討が本年度の研究計画であった。スウエーデンのデータセットは、2007年に実施された地方自治体財政均衡化のための"Faltundersokning 2007"<フィールド調査2007>を使用し、スウエーデンの自治体類型(9種類)に基づき、大都市など9地方自治体を抽出した。日本のデータセットのための自治体抽出は、日本福祉大学社会開発研究所の仲介により、比較上スウエーデン・サンプルに匹敵する9自治体をH県において抽出した。各自治体への協力依頼のための手続きに時間を要したが、抽出作業並びに両国のデータセットの調整と突合作業は3月末に完成した。抽出作業が相対的に遅れたために、計画されていた要介護認定やケアプラン作成時のアセスメント、サービス給付、サービス経費などに関する日本の自治体関係者の聞き取りは実施できず、次年度に持ち越される。 2.自治体抽出作業と平行して、新しいデータセット分析のためのより正確な変数選択とインデックス作成作業を行った。 3.さらに、平成20年度に実施した、先行研究データセット(日本、スウエーデン各1地方自治体)に環境要因変数を加えたデータセットの分析結果を、英語並びに日本語による論文執筆作業を開始し、現在進行中である。
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