本研究の今年度の目的は、オーストラリアビクトリア州等先駆的な地域における子ども家庭への支援事業への聞き取り調査を整理し、日本で地域における子育て支援事業調査や、近年その役割が重視されている子育て支援におけるコーディネート業務とその現状を明らかにする。特に養育上の課題を持つ子ども家庭への支援をどう展開するかという点にも着目している研究である。 本研究では地域の子育てネットワーク等の当事者団体と行政との連携や地域で実践されている子育て支援のプログラムの現状を明らかにし、次世代後期計画の取り組みの動向を踏まえ、コーディネート的な役割も加味した試行的な具体的な支援プログラムの提示を目指す。 本年度の研究成果は、1.近年日本で普及してきた親子ども支援プログラムであるトリプルP(Positive Parenting Program)への理解を深めた。そのファシリテーター養成講座を受講し、啓発段階から問題行動変容までの段階別となる、トリプルPプログラムへの目的、内容、実践方法等の特徴への理解を深めた。 2.Best Startプロジェクトのガイドラインの翻訳を完成し研究報告書を作成した。これは当該地域における子どもや家庭に対する現状ニーズを把握や支援事業を見直し身近な地域へと改善していく、Best Startプロジェクトの実施指針策定や推進に関するガイドラインの翻訳を発行した。 3.現状の県や市町村で子育て支援コーディネート業務活動への聞き取り内容研究報告書を作成した。本報告書では日本で先駆的に実施されている、さいたま市の子育てコーディネーター配置事業講習内容と熊本県におけるコーディネーター養成講座の内容やについての聞き取り内容を整理したその現状を把握した。 4.市町村自治体での子育て支援事業調査項目検討する。市町村合併と22年3月末で策定される次世代後期行動計画終了後に向けての市町村調査準備を進めた。
|