研究課題/領域番号 |
20530554
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
中村 陽子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (00341040)
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研究分担者 |
人見 裕江 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (30259593)
西内 章 高知女子大学, 社会福祉学部, 准教授 (80364131)
津村 智惠子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40264824)
上村 聡子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 助教 (70454725)
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キーワード | 限界集落 / 高齢者 / 終末ケア / 暮らし / ケアマネジメント / 韓国 / 社会資源 |
研究概要 |
昨年度に続きアンケート回答者で同意の得られた者に対するインタビュー調査を実施した。医療に対する依存意識と介護者の不在、また、社会資源の利用の低さが明らかになった。また、買い物や移動等暮らしの不便さや経済的な問題が、限界集落での暮らを続け、終末を迎えるためには大きな課題になっていた。しかしながら、退職後故郷に帰郷する者もおり、地域の見守りとしての役割を負い、住み慣れた地域での看取りを支援したいとの思いも聞かれた。医療は入院が中心で訪問看護ステーションは地域にはなく、往診を担う開業医が存在するが地域が広範囲にわたり、全てを掌握するのは困難である。社会資源の利用が低く、医療が肩代わりしている様子がうかがえるが、経済的な理由により入院も長期に利用できないとも声もあった。 日本の限界集落の現状と韓国における都市と限界集落の医療、介護。を中心に調査を進めた。結果、韓国の介護保険開始後数年が経過しているが、地方(過疎地)においてはほとんど医療、福祉サービスは利用されておらず、介護保険の存在すらしられていなかった。過疎地では家族形態の変化による独居高齢者が増加し、急速な高齢化をむかえる韓国の終末期ケアは日本と同様に大きな今日的な課題である。 財政難は、限界集落の生活支援にも影響し、新しい社会資源を提供することが困難である。高知県では過疎地を巡回する、移動販売車に助成金を出す等の県独自のサービスを実施し、生活支援を行うようになった。地域独自のサービスの構築は地域再生の重要な事項であり、終末期ケアにとって必要不可欠であるが、これらのサービス構築のために、調査地である0町が実践しているような「地域相談員」のような人材が重要な役割を行っていることが推測された。少ない資源をどのようにマネジメントするのかこらからの研究の課題が明らかになってきた。
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