社会全体の情報化、学生の情報リテラシーや学内情報インフラの向上を背景に、介護福祉教育においても、その利活用が期待できた。介護過程の教授には論理的思考、問題解決能力など、内面の育成が必要であるため、e-learningの協調学習や双方向学習や記録システムがそれには有効であると考え、20年度より学内授業の講義、演習と学外の実習、それらの評価が統合されて役立つ教授用教材「教育プログラムI・II・III」を、さらに介護福祉施設での実習中に、自宅、大学での教員や実習指導者との交信も可能な非同期・非対面型の実習指導用教材「教育プログラムIV」を構築した。その成果は学会、論文で発表した。 本年度は、一つにはその授業用教材で学習した学生が、介護実習を行う際に「教育教育プログラムIV」を実験的に行い、その成果をまとめたことである。実験に参加したのはweb指導を希望した学生、その協力を了解した実習施設、研究者教員の3者がうまくマッチングしたケースのみであったが、タイムリーな指導が可能になった。施設での介護過程学習の実際には、授業の評価が活かされ、結果として適切な介護の提供がより深く学べたと考える。新カリキュラムでの介護実習は教員の訪問回数が2回以上から1回以上に減ることになっているため、この遠隔実習指導の方法は重宝すると考えている。 もう一方は新カリキュラムの教科「介護過程演習」「ケアマネジメント論」において、介護過程教授のための新コースをe-learning教材「moodl」に新たに立ち上げ、授業で活用したことである。効果的な授業が展開でき、学生がユビキタスに学ぶことができた。22年度からの新カリキュラムでは一層、介護過程が重要視されているので、教材活用の意義もより大きくなったといえる。成果は学会、論文で発表した。
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