• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

胎児性水俣病の被害の多様性を踏まえた社会福祉的ケアの課題と将来への展望

研究課題

研究課題/領域番号 20530557
研究機関熊本学園大学

研究代表者

田尻 雅美  熊本学園大学, 水俣学研究センター, 研究助手 (70421336)

キーワード保健 / 医療 / 介護福祉 / 水俣学
研究概要

本研究課題においては、胎児性水俣病患者の存在と被害のありようを前提としつつも、なお未解明な点、とくに社会福祉的課題を明らかにし、50歳前後になる胎児性水俣病患者が、加齢に伴い障害が重度化するとともに家族からの介助・援助も困難となる中で、公害被害者、重度障害者としての二面を持ちつつ生きる困難と課題を明確にしていくこを目的とした。胎児性水俣病患者の場合、公害被害者としての補償体系と制度の中で、法的には被害-加害の民事的な関係の中に置かれることから、社会福祉的な施策の対象とはなかなかなりにくくソーシャルワーカーの関わりもきわめて希薄であった。そもそも、何が福祉的な援助の課題であるかさえ問われていなかったといえる。平成20年度は、水俣学現地研究センターを研究拠点に水俣在住の患者・患者家族、未認定患者、その中でも「光の当らない」在宅胎児性患者へのコンタクトをはかり、平成21~22年度にかけてヒアリング、訪問調査を継続した。これまで家族とごく一部の支援者しか知り得ることが出来なかった在宅の胎児性水俣病患者とその家族へのヒアリング、訪問調査し実態を記述できたことは、社会福祉的な援助の課題を明らかにする上で意味は大きかった。
胎児性水俣病・障害者とも制度の中で規定されていることによって被害が矮小化されており、被害補償や福祉的ケアの諸制度ではカバーしえず、家族内の負荷が増え、在宅生活が破綻しかかっていることが明らかになったとともに、生活の障害の複雑さの解明が更に必要であることがわかり、今後は、更にこのような調査を継続し深めることが必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 不知火海沿岸住民の有機水銀の影響に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      原田正純・田尻雅美, 他
    • 雑誌名

      水俣学研究

      巻: 2号 ページ: 61-86

    • 査読あり
  • [学会発表] 水俣学現地研究相談健康・医療・福祉相談の5年2011

    • 著者名/発表者名
      田尻雅美
    • 学会等名
      水俣病事件研究交流集会
    • 発表場所
      水俣市公民館
    • 年月日
      2011-01-09
  • [備考]

    • URL

      http://www3.kumagaku.ac.jp/minamata/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi