研究概要 |
本研究は、自治体が制約的制度下において、地域に応じたきめこまやかな政策執行がいかに可能かというきわめて福祉的な課題に資することを目的としている。平成20年の調査研究で、介護給付の自治体間の差異は、介護保険施設の種別との関連が見られたことから、平成21年度には(1)マクロデータを用いて介護保険料やサービス供給整備に関わる自治体の政策過程の検討、(2)自治体による執行パフォーマンスが事業者・専門職へ及ぼす影響に着目し、自治体の制度執行過程・構造に着目したパフォーマンス規定要因を検討した。 (1)については,収集したマクロデータの解析を進め、東京都23区の介護保険料規定要因として国-自治体の構造的制約に加えて、自治体裁量の可能性を指摘した。(2)については、自治体と事業者毎に郵送調査を実施する予定であったが、郵送調査では解析に足る有効回答を得られない可能性があるので、昨年度に引き続き20名の居宅介護支援専門員に対してヒアリングを実施し,居宅介護支援業務を通じた自治体間の差異に関する質的データ収集を終了した。
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