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2008 年度 実績報告書

対人コミュニケーションの状況的・関係的モデルの比較文化的研究-自己認識を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20530567
研究機関名古屋大学

研究代表者

高井 次郎  名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (00254269)

キーワード対人コミュニケーション / 対人コンピテンス / 比較文化 / 自己認識 / 文化的自己観
研究概要

本年度は、対人コミュニケーション方略の選好を予測するモデルを検証するため、日米においてデータ収集を実施した。調査法を用いて、合わせて326名の参加者からデータを収集。その結果、モデルの変数間の関係は概ね確認され、文化、親密性、地位格差、状況が方略の選好を、自己認識を介して影響することがわかった。特に、アメリカ人は日本人よりも直接的な方略を好む一方、日本人は婉曲的な方略、第三者介入など、間接的な方略を好む傾向がうかがえた。相互作用相手の親密性に関しては、アメリカ人は直接的方略に対してはより大きな親密・疎遠の違いをみせている一方、間接的な方略に関しては、文化の違いが確認されていない。地位格差に関しては、直接的方略に限定して、日本人のほうがアメリカ人よりも強く影響を受けていた。状況に関しては、日本人よりもアメリカ人のほうが、一概に一貫した方略の選好をみせており、日本人のほうが状況に影響されやすいパターンが明らかになった。介入変数として、自己観がもっとも影響力があり、特に文化によるこの影響力の違いはうかがえなかった。要するに、どの文化でも相互協調的、相互独立的自己観は方略の選好を影響しているといえる。本年度の調査で得られた結果は、これまでもたれてきた単純なステレオタイプ、すなわち日本人は間接的、アメリカ人は直接的、を否定する結果であり、相手や状況によって、日本人もアメリカ人も方略の選好を変えることがいえる。なお、本年度中に中国およびカナダのデータは収集できるに至らなかったが、次年度に調査を実施する予定である。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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