研究分担者 |
吉川 左紀子 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (40158407)
渡部 幹 早稲田大学, 高等研究所, 准教授 (40241286)
神村 栄一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80233948)
小森 政嗣 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 准教授 (60352019)
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研究概要 |
本研究は,日常の対話と臨床対話との比較に主眼を置く.臨床対話が,日常の対話との比較においていかなる特徴を持ち,どのような社会的影響が作用しているかを,実証的検討によって明らかにすることを目的とする.このため本研究では(1)臨床対話のマクロ的時系列構造,(2)ミクロレベルの情報処理のダイナミクス,の2つの観点から検証を行う.平成20年度は,以下に示すように,各観点における第1段階の検証を実施した. (1)臨床対話のマクロ的時系列構造 臨床対話の構造における,(1)熟達度による相違,(2)カウンセラー・非カウンセラーの相違に関する検討を行った.初回面接のロールプレイ(通常の心理臨床面接と同じ50分間)という形で行なわれた心理臨床面接,および非臨床家による一般的な悩み相談の対話等を収録し,非言語的行動や発話形式の分析を行うことにより,臨床対話の構造の一端が明らかになりつつある. (2)ミクロレベルの情報処理のダイナミクス カウンセラーのクライエント理解,すなわち,どのような情報を選択的に拾うか(重要視するか)を調べることを目的とし,心理面接ビデオの視聴後の再生課題を用いて,カウンセラーによるクライエントに関する記憶の仕方について検討した.クライエントが話した内容のうちどの要素を記憶するかという観点で,カウンセラーを非臨床家と比較した結果,カウンセラーと非臨床家の量的・質的相違が示された.
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