研究概要 |
対話は,言語・非言語行動による二者間のコミュニケーションであり,各自のもつ情報を相手に伝えることや,話題に対する感情や評価を相互に伝え合い共有することに加え,新しい問題解決法を思いつく,新たな自己認識・他者認識に至る,といった創造的・発見的な機能も有している.中でも,心理臨床面接における対話(以下,臨床対話と記す)は,自己認識や他者認識,問題解決法の発見等の機能を十全に発揮している例であり,大きな社会的影響を持つ重要かつ貴重な研究対象といえる.本研究は,社会心理学と臨床心理学および認知心理学のアプローチの融合によって,臨床対話の構造,およびそのダイナミクスを実証的に明らかにすることを目的とする 本研究は,日常の対話と臨床対話との比較に主眼を置く.臨床対話が,日常の対話との比較においていかなる特徴を持ち,どのような社会的影響が作用しているかを,実証的検討によって明らかにすることを目的とする.このため本研究では (1)臨床対話のマクロ的時系列構造,(2)ミクロレベルの情報処理のダイナミクス,の2 つの観点から検証を行う
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