研究課題/領域番号 |
20530582
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
野波 寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50273206)
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研究分担者 |
加藤 潤三 大阪国際大学, 人間科学部, 講師 (30388649)
中谷内 一也 帝塚山大学, 心理福祉学部, 教授 (50212105)
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キーワード | コモンズ / 社会的ガバナンス / 合意形成 / 正当性 / 信頼 / 沖縄 / シミュレーション / ゲーミング |
研究概要 |
2007年度から2008年度にかけ、沖縄本島において、共有財(コモンズ)としての海洋の保全を目的とする複数のステークホルダー間での共同統治システム(社会的ガバナンス)が構築された事例を探索した。沖縄本島の恩名村において、赤土流出問題を防止するために行政・漁業協同組合・一般住民の3者が諮問委員会を設け、村外の開発業者へ強制力をともなう答申を示し、村内の海洋資源の保全に効力を発揮している事例を発見した。この事例を分析するため、まず第一に、沖縄本島の赤土流出問題に対する行政・漁業協同組合・一般住民の取り組みについて検討したこれまでの調査結果をまとめ、恩名村における調査態勢確立のための理論的フレームを確立した。これらの結果の一部は、2008年度日本心理学会大会、同年度日本グループ・ダイナミックス学会、同年度日本社会心理学会、および同年度International congress of psychology(国際心理学会大会)にて公表した。また、学術論文として学術誌(「心理学研究」および「実験心理学研究」)への投稿をおこなった(2009年度4月現在、審査を終了し、印刷中)。以上の理論的フレームにもとづき、恩名村におけるインタビュー調査を数次にわたって実施し、上記の諮問委員会にかかわる各ステークホルダーから言語データを収集した。この結果については、2009年度日本コミュニティ心理学会大会にて発表の予定である。 以上と並行して、コモンズの保全にかかわるステークホルダー間での信頼と正当性を実験的に検討するため、実験・訓練用のシミュレーション・ゲーミングを実施し、実験データを蓄積した。これらについては2009年度日本心理学会大会にて公表の予定である。
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