研究課題/領域番号 |
20530582
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
野波 寛 関西学院大学, 社会学部, 教授 (50273206)
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研究分担者 |
加藤 潤三 琉球大学, 法文学部, 講師 (30388649)
中谷内 一也 同志社大学, 心理学部, 教授 (50212105)
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キーワード | コモンズ / 正当性 / 信頼 / ガバナンス / シミュレーション・ゲーミング / 沖縄 / 内モンゴル / 文化間比較 |
研究概要 |
2010年度は、沖縄本島の恩名村において行政・漁業協同組合・一般住民によって構築された、共有財(コモンズ)としての海洋の保全を目的とした共同統治システム(社会的ガバナンス)を取り上げ、これらのステークホルダー間での信頼と正当性の相互承認構造をアンケート調査によって調査した。この調査結果は2010年度日本社会心理学会および国際応用心理学会(International conference of applied psychology)で発表した。結果の一部は学術論文として学術誌(「コミュニティ心理学研究」)へ投稿した(2011年3月現在、審査を終了し、印刷中)。また、この調査より得られた知見をもとに、同じくコモンズとしての自然財の管理に関与するステークホルダー間での信頼と正当性の相互承認構造を検討するため、内モンゴル自治区(中国)で草原の保全を目的に導入された生態移民政策を取り上げ、これにかかわる行政職員・都市住民・生態移民を対象としたインタビュー調査とアンケート調査を実施した。これらの結果の一部は、2010年度日本心理学会大会、同年度日本グループ・ダイナミックス学会にて公表した。 以上と並行して、コモンズの保全にかかわるステークホルダー間での信頼と正当性の相互評価、ならびにそれを基盤とした合意形成の過程を実験室実験の手法で検討するため、実験・訓練用のシミュレーション・ゲーミングである"誰がなぜゲーム(Who & Why Game)"を開発した。この実施結果は、2010年度環境教育学会および日本シミュレーション&ゲーミング学会にて発表した。さらに、正当性の相互承認構造に関する異文化間での比較検証を目的として、日本とスペインで共同実験を実施した。この共同実験の結果は2011年度欧州心理学会(European congress of psychology)で発表予定である。
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