小学生用主要5因子性格検査の内容的妥当性を高めるために、小学生228名で項目分析を行った。7回目の因子分析で、綺麗な単純構造が得られたので、EACNO性格次元を各8項目で構成した。そこで、問題攻撃性項目を追加し、全51項目で全国標準化を行うことにした。小学校の住所をWebから400件程度の住所録を作成し、協力依頼を行った。結果として、12校が研究協力に応じた。不応答5以上のデータを削除した結果、小学4-6年生1674名(男性775名、女性689名、不明210名のデータを収集した。 選択肢の回答頻度を分析して、低頻度側の選択肢を選んだ場合に加点する方法でF尺度を構成した。また、各尺度の素点の平均と標準偏差を男女別、男女込みで求めた。一要因分散分析で性差を分析すると、F、Ag、A尺度で性差が認められた。因子構造の再現性について、228名と1674名のデータを元にして、同一の探索的因子分析を適用し、因子の一致係数を求めた。すると、因子は高度に一致していた。 妥当性については、親の子供の評価と子供の自己評価との相関を調べることとした。小学4-6年生6クラス196名と.その保護者であった。保護者と子供の相関は、F(0.213)、Ag(0.353)、E(0.559)、A(0.386)、C(0.405)、N(0.348)、O(0.449)となった。妥当性係数としては、例のないほどの高さであった。小学生用主要5因子性格検査は非常に優れた性格検査であると思われる。
|