研究概要 |
本研究は,次世代育成力に関連する要因を明らかにし,次世代育成力を育てるための有効な教育的支援方略の開発を目指している。教育的支援の検討を可能にするため2つの尺度の開発を行った。そのうち次世代育成力尺度は,「青年期の次世代育成力尺度の開発とその検討」(母性衛生:2009年第50巻1号)に掲載された。命の意味づけ尺度に関しては文献検討と調査が終了し,論文を準備中である。新たに文献検討,予備調査の結果,「必要とされる喜び」が人を「次世代を育てる存在」へと移行させる原動力の一つであると考えられたため,「必要とされる喜び」尺度を開発する予定である。 次世代育成力に影響する要因として親からの存在肯定メッセージ,親への感謝,必要とされる喜びを想定しており,親からの存在肯定メッセージとの関連については,「青年期の次世代育成力と存在肯定メッセージとの関連」(母性衛生;2010年第50巻4号)に掲載予定である。親への感謝と次世代育成力との関連については,「親への感謝と次世代育成力との関連」(茨城県立医療大学紀要;2010年15号)に掲載予定である。 次世代育成力を育てる教育的支援に関しては,「前の世代から育てられたきた存在」「次の世代を育てる存在」「いのちを受け継ぎ育てる存在」という3つの観点から捉え,討論形式の授業を実施する予定である。カリキュラムは現在作成中であり,2010年6月から7月に実施する予定である。最終的には,世代間伝達,子育て観の時代的変遷をキーワードに,平成生まれの学生による平成の子育て観を作ることを最終課題とする。
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