研究概要 |
本研究では、次世代育成力に関連する要因を明らかにし、次世代育成力を育てるための有効な教育的支援方略を開発することを目指した。次世代育成力に関達する要因として、命の童味づけに着目し、その測定尺度を腸発した。さらに、前年度までに明らかになった次世代育成力とそれに関連する要因に関する研究結果に基づき.次世代育成力を育てるための教育的支援カリキュラムを作成し、討論形式の授業で実施した。カリキュラムは4回で構成され、下記のテーマと内容で授業が行われた。 1回目 「青年期の次世代育成力」;次世代育成力の概念とその育成の意義について理解を深め、自らの生育環境を振り返ることで次世代育成への関心を高める。 2回目 「次世代育成力とメッセージ」:それまで受講生が受け取ってきた親や教師など重要な他者からのメッセージを再認識しその影響を振り返る。さらに、自分が次世代の子どもたちに何を伝えていきたいかを自覚する。 3回目 「次世代育成力と親への感謝」:親に対する感謝について理解を深め振り返ることで,次世代育成への意識を高める。 4回目 「次世代育成力と子育て観」:時代による子育て観の変遷を知り,自分が望む子育てのイメージを育む。また子育てにおいて共同体の力を借りることができることを知る。 4回の授業前後での次世代育成力尺度の得点を比較した結果、下位尺度「伝えるものを持っているという自信」と「地域社会の力を借りることができるという自信」の得点が向上したことが示された。また、各テーマに関する自由記述や感想でも、次世代育成力が高まった実感があるという記述が得られた。 本研究の結果、作成した次世代育成力を育てるための教育的支援カリキュラムの有効性が確認され、青年期の次世代育成力の育成に貢献した意義は大きい,さらに、本研究の分析結果に基づいて、より効果的な青年期の次世代育成力を育てる教育的支援方略を提示した。
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