研究課題/領域番号 |
20530603
|
研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
白井 秀明 東北福祉大学, 子ども科学部, 准教授 (50281291)
|
研究分担者 |
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 准教授 (60254819)
小石川 秀一 東北福祉大学, 子ども科学部, 教授 (70458199)
|
キーワード | 教育心理学 / 小学校理科 / 単元理解 / ものづくり / 授業研究 |
研究概要 |
学校教育における学習単元内容の知識の活用という形で「ものづくり」活動の効果を実証すべく、本年度は以下の2つの研究授業(どちらも小6年の「電流のはたらき」)。1)何をつくるかによって必要な当該単元内と単元外の知識の相対的な割合(「単元完結性」)が異なると考えられ、その割合の高い「ものづくり」活動の方が活動過程における単元学習内容の知識の活用度が相対的に高くなり、単元学習内容の理解をより促進すると予想される。そこで「単元完結性」の異なる2種のものづくり活動(モーターづくりとスピーカーづくり)の配列を変更することによって、その予想が確かめられた(白井他2008)。その結果、各々の「ものづくり」活動に密接な範囲については、単元完結性の高い方が肯定的な理解促進がわずかに得られたのみであった。ものづくり活動そのものの性質による効果を検討するだけではなく、単元内容との関連を授業内にどのようにつけるかというの検討が必要だと考えられた。2)すぐれた「ものづくり」活動は、それ自体で学習すべき内容を内包しているはずであって、「ものづくり」を“おまけ"や“つけたし"ととらえず、むしろ中心にすえて単元学習の進展を測ることを目指すべきであると考えられる。そこで、そうした意図のもとに計画された授業の効果が検討された。その結果、とりあげた「ものづくり」は学習者全員が夢中になって完成できた。また、コイルの極性や磁力を増減する要因など単元内容の再生的な理解の促進が見られた。そこで、再生的な理解の十分なされた学習者とそうでない学習者にわけて、他の理解との関連を見た。通電性や電流と仕事の関係の理解には差が見られず、電気製品使用時の電流の有無や電気製品中の磁石の有無を問う課題には、高理解者の方が好成績であった。ものづくりを単元学習の中心に据える授業の一定の効果があったと考えられる(白井、2009発表予定)。
|