研究課題/領域番号 |
20530603
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研究機関 | 東北福祉大学 |
研究代表者 |
白井 秀明 東北福祉大学, 子ども科学部, 准教授 (50281291)
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研究分担者 |
荒井 龍弥 仙台大学, 体育学部, 准教授 (60254819)
小石川 秀一 東北福祉大学, 子ども科学部, 教授 (70458199)
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キーワード | 教育心理学 / 小学校理科 / 単元理解 / ものづくり / 授業研究 |
研究概要 |
平成21年度は大きく2つの研究を行った。1つめは、単元理解を深めるための「ものづくり」を組み入れた授業の実践的な研究である。対象単元は予定を変更し、5年理科の「電流が生み出す力」や6年理科の「電流のはたらき」といった電流関連単元の授業中心に、8小学校にて集中的(2から4コマ)に行った(授業担当は分担研究者)。一連の授業実践からあげられた成果として、1)電流単元における実験や「ものづくり」の中で検流計や電流計を回路に入れ「電流の大きさ」に注目させることによって、発熱、発光、そして磁場を生むといった電流のはたらきについての理解を深める効果があったこと2)ものづくり活動の中で電流の大きさをコントロールする手段として、乾電池の数を増減させると回路に流れる電流は電池の個数分だけ増加せず電流量が減少してしまうデメリットがあること、そしてそのデメリットを解消するために電源装置を使って電流を一定にした上で電流のはたらきの大きさを比較することによって、定量的な理解をわかりやすく深められるというメリットがうまれるとなどが報告された。2つめは、小学校現場の教員に対する理科授業で行っている「ものづくり」活動に関する調査研究である。現在結果をまとめている最中であるが、中間的な集計結果では、時数制限のある中、新指導要領の方針のようにものづくりの活動数のみを増やすことにとまどいを感じ、また小学校現場だけでできる準備や工夫の限界を感じている現場教員が数多くいることがわかってきた。したがって、そうしたとまどいを感じている教員に、本研究の成果としての「ものづくり」活動の位置づけ、さらに「ものづくり」活動を積極的に生かすには「理科支援員」といったサポート制度の利用、さらには本学の教員養成課程のシステムや実験機器を小学校現場の教員のためのサポート手段としてどう利用できるかなどについて、次年度の研究課題としたい。
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