本年度は、4年間にわたる縦断調査研究の初年度であった。本年度の研究目的は、第1に、質問紙調査用紙を完成すること、第2に、4年間の縦断調査を実施してもらえる調査協力校を確定すること、そして、第3に、高校3年生を対象とした第1回目の高校生調査を実施することであった。6月に、調査依頼書、調査計画書、調査の手順書、質問紙を完成させ、東京都内の都立高校50校に郵送して調査依頼をおこなった。7月中旬までに、20校から返信があり、そのうちの9校の高校で調査への協力を得ることができた。その時点での調査対象者の人数はおおよそ2000人であった。10月に入ってから、9校に質問紙を郵送し、高校3年生を対象に、各クラスで調査を実施するよう依頼した。11〜12月にかけて、それぞれの高校から回答済みの調査用紙が返送されてきたので、随時データ入力の作業をおこなった。最終的には、男子805人、女子910人、合計1715人の質問紙データが集まった。また、高校卒業後の縦断調査(郵送法によるフォローアップ調査)に協力を申し出た生徒は、男子366人、女子454人、合計820人だった。中学校から高校にかけての縦断調査(科研費)における実績と照らし合わせてみると、これから予定されている縦断的分析に耐えうるだけのデータ数が集まったと考えて良いであろう。本年度の調査データは、来年度以降に実施される第2、3回高校生調査と比較検討される基礎データとなる。分析結果は、日本心理学会第73回大会(2009)および日本教育心理学会第51回総会(2009)において発表する予定である。
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