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2010 年度 実績報告書

記憶の歪曲と変容における加齢および認知障害の影響

研究課題

研究課題/領域番号 20530609
研究機関大阪大学

研究代表者

佐藤 眞一  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40196241)

キーワード実験心理学 / 生涯発達 / 記憶 / 加齢 / メタ記憶 / 虚偽記憶 / DRMパラダイム
研究概要

【虚偽記憶における情動の長期的影響】
情動特性(ポジティブ語(以下,ポジ語),中立語,ネガティブ語(以下,ネガ語))別に1ヶ月後の虚偽記憶における年齢差を検討することを目的とした。実験参加者:若年者33名(平均18.7±0.5歳)および高齢者24名(平均76.7±4.5歳)。実験方法:DRMパラダイムを用いた。学習リストは1リスト15語×6リスト。なお,各情動特性を持つ連想中心語リストを2リストずつ用い,PCを用いて90語連続提示した。全語提示後に直後再認,その後,直後再認と同手順で遅延再認,そして、約1ヵ月後に1ヵ月後再認を行った。その結果,1ヵ月後再認においてポジ語では虚再認率は高齢者>若年者であったが,中立語およびネガ語では年齢による効果は認められなかった。
【メタ記憶と虚偽記憶の関係性】
若年者34名(18.8±0.5歳)および高齢者26名(76.3±4.4歳)を対象に,DRMパラダイムを用いて虚偽記憶の実験を行った。また,メタ記憶の特性については,島内・佐藤(2008)で作成した行動レベルで記憶の自信度を測定できる尺度(Meta-Memory scale of Self-Confidence:以下MSSC)を用いて検討を行った。MSSC下位群では,遅延再認の方が直後再認よりも虚再認率が高かった(p<.001)。また,MSSC下位群では高齢者が若年者よりも虚再認率が高く(p<.01),高齢者ではMSSC下位群の方が上位群よりも虚再認率が高かった(p<.05)。これに付随して軽度認知障害(MCI)の疑いのある物忘れ外来患者5名を対象にMSSCを実施した(継続中)。その結果,若年者よりも自信度の高い傾向のある一般高齢者に比べて,軽度認知障害の疑いのある高齢者はMSSC得点の低い傾向が認められた。この点に関しては,日常の記憶の失敗に関わるストレスの影響が示唆された。
以上の成果を,日本老年行動科学会(鹿児島),日本心理学会(大阪),および日本発達心理学会(東京)に参加し,情報交換および発表を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢者の自動車運転の背景としての心理特性2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤眞一・島内晶
    • 雑誌名

      IATSS Review(国際交通安全学会誌)

      巻: 35巻 ページ: 203-212

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 応用老年行動学の意義と目的2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤眞一
    • 雑誌名

      応用老年学

      巻: 4巻 ページ: 4-12

  • [学会発表] 高齢者と若年者の情動語における虚偽記憶の検討-年齢・挿入課題・再認時期との関連について-2011

    • 著者名/発表者名
      島内晶・佐藤眞一
    • 学会等名
      日本発達心理学会第22回大会
    • 発表場所
      東京学芸大学
    • 年月日
      2011-03-26
  • [学会発表] 高齢者における記憶の失敗とメタ記憶の関連性-記憶の自信度(メタ記憶)が虚偽記憶に及ぼす影響-2010

    • 著者名/発表者名
      島内晶・佐藤眞一
    • 学会等名
      日本心理学会第74回大会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] メタ記憶の個人差および年齢差と記憶成績の関連-高齢者と若年者を対象とした再認成績の比較-2010

    • 著者名/発表者名
      島内晶・佐藤眞一
    • 学会等名
      第13回日本老年行動科学会鹿児島大会
    • 発表場所
      鹿児島県民交流センター
    • 年月日
      2010-09-04
  • [図書] 高齢社会の「生・活」事典2011

    • 著者名/発表者名
      佐藤眞一・島内晶(共著)
    • 総ページ数
      63-82
    • 出版者
      社会保険社
  • [備考]

    • URL

      http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/kg-portal/aspi/RX0011D.asp?UNO=20448

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公開日: 2012-07-19  

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