研究概要 |
高齢期には記憶の失敗経験が増加する。そのため高齢者は,自分自身の記憶能力に対して否定的信念をもつことがある。すなわち,記憶の自己評価であるメタ記憶が不安定になると予想される。また,記憶の失敗経験の中でも「間違って覚える」という「記憶の誤り」は,その自覚度は低いと考えられる。そのため,防ぐことが難しく,場合によっては周りとの摩擦を生んだり,本人に不利に働いたりすることもある。本研究では,高齢者の記憶のこうした側面を,虚偽記憶に関する実験とメタ記憶尺度の開発とその調査によって明らかにした。
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