研究概要 |
重度・重複障害児を対象として、共同注意行動が形成される前後における発達項目である共同注意関連行動を手がかりに、その発達の様相を検討した。その際に、重度・重複障害児が注意を向ける対象を検討し、「物理的対象」か「他者」(Rochat,2001)を区別し、その行動特性を取り上げた。重度・重複障害児を対象として、共同注意行動が形成される前後における発達評価とその発達支援の要因を検討し、注意の対象が(1)「物理的対象」か「他者」を区別し、その発達の様相を吟味した、(2)養育者の行動を分析し、子どもの注意を引きつけ、その注意を持続させるための養育者の行動特性について考察した。 共同注意関連行動を手がかりとした重度・重複障害児の発達評価項目の検討と適用 1)重度・重複障害児の発達評価項目の整理 「対象への注意」から「注意の共有」までの共同注意関連の30項目からなる行動評価の改訂版(大神2001)を基礎としながら、遠城寺式乳幼児分析的発達検査と新版K式発達検査の項目を参考に、1歳程度及び1歳以下の発達を評価する項目を整理した。 2)発達評価の項目の妥当性の検討 重度・重複障害児が教育を受けている特別支援学校(肢体不自由)で、小学部において重複障害の指導を担当している教諭6名に、この発達評価の項目により、重複障害児の実態把握を試みてもらい、項目ごとの行動記録をまとめた。 その際に、実態把握の実際を踏まえて、発達評価の項目ごとの課題等について意見をもらい、改善のための基本情報を収集した。 3)重度・重複障害児の指導場面における発達評価の実施 上記の発達評価項目にもとづき、重度・重複障害児の授業場面の活動から、その発達段階や行動特性を検討した。
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