研究概要 |
研究I MEASUREモデルの検討では,平成22年3~4月に開始したMEASURE創始者のCarolDahir氏とのMEASUREを含む全校型支援についての包括的教材(テキスト)の執筆を進めてきた.特に,その内容を精査し事例を収集するため,スクールカウンセラー(以下SC)5名と年回10回の会合を持ち,テキスト内容と日本の現状とのすり合わせや事例収集等を行った.執筆は継続中であり,震災で延期のCarol氏招聘は8月に実施予定である. 研究II 海外の教材とその背景の検討では、平成22年7月にアイルランド共和国で行われた国際学校心理学会に参加発表し,日本と同じ非常勤心理士が学校支援を行うスコットランド・アイルランドの資料を収集した.雑誌「子どもと学校臨床」4号に報告すると共に,現地研究者より資料を受領し訳出等を継続している.また,全米暴力防止協会Smith, D.氏を学術振興会短期招聘にて平成22年10~12月に受け入れ,氏の助言や米国教材を基に,中学校にて心理教育を行った.また,氏との共同研究として,SCが学級アセスメントに使用可能な生徒の肯定的資質に関する質問紙を訳出し,平成23年3月までに東京・富山の3中学校にて調査を実施した(現在分析中).なお,昨年度行った香港視察についても,成果を学会で発表すると同時に,教育省Lee氏の平成23年1月の訪日時に意見交流を継続し,韓国の研究者との交流も開始した. 研究III サイトの作成とツール提供では,昨年度に引き続き「学級風土アセスメント自動分析システム」を改良し,平成21年に公表した小学生用短縮版(伊藤,2009)についてもシステムを構築した.また,同小学生用質問紙を用いた事例を,国際学会及び国際誌に投稿・発表した.小学校用短縮版を学術雑誌に公開し,専用ソフトの分析ステップを作成した。また、研究I IIの成果も含めて昨年度作成した小冊子を,SCと教師向けの全校型支援ツール(伊藤,2011)として全面改訂し印刷公表した(現在出版社からの公刊を準備中).
|