本研究では、高齢期にある人たちと家族の一員であると認識されるようになってきたコンパニオン・アニマル(伴侶動物)との"日常生活における関わり"に着目し、この関係から得られる良否両側面の影響について検討した。その結果、年齢の高い者ほど犬との情緒的一体感は弱くなる傾向にあり、1年後には、全体として、飼い主と犬との情緒的一体感がやや弱くなることが分かった。1年以内に飼い犬を亡くした経験のある高齢者へのインタビュー調査から、高齢者に特徴的と思われる3カテゴリー(「死別したペットとの関係」「今後に飼育ついて」「飼育しない理由」)が抽出でき、高齢期におけるペットロスの様相を理解することが可能になった。
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