研究課題/領域番号 |
20530626
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
宮下 敏恵 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (40308226)
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研究分担者 |
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (30407910)
森 慶輔 群馬社会福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (90468611)
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キーワード | バーンアウト / 教師 / プロセス / 縦断的研究 / 小学校 / 中学校 / メンタルヘルス / モデル |
研究概要 |
平成20年度においては、A市内の全小学校・中学校に調査を依頼し、バーンアウト尺度と精神的健康度、ストレッサーに関する調査を学期ごと、年間計3回行った。縦断的調査を行い、バーンアウトのプロセスについて今後も引き続き分析を行っていく予定である。平成20年度においては、小学校における2時点でのバーンアウト尺度の因子構造を検討し、現在学会誌に投稿中である。 また、バーンアウトを低減させるモデルの作成のために、バーンアウトを低減させる方策を調査において自由に記述してもらった結果をまとめた。管理職、教諭職ともにほぼ同じ内容であり、バーンアウトを低減させる方策は一致していた。教職員の定数増加は最も必要とされており、次に多く見られたのは学校内のコミュニケーションをよくすること、仕事に対する考え方の変容などがあげられた。また、勤務時間を短くすること、様々な制度の削減など学校運営の見直しの必要性についても多くの回答がみられた。小学校教諭においては、「仕事そのものの精選」や「事務・雑務仕事の軽減」が上位にみられた。小学校においては、一人で仕事をすることも多いため、仕事の優先順位を付けていくことが求められるといえる。中学校においては、「勤務時間の厳守」が高い割合を占めた。主に、平日の部活動、土日の部活動などの超過勤務に関する内容や年休の取りにくさを訴える内容が多くみられた。中学校においては「学校運営(制度や分掌)の見直し」が一番多い回答となっていることからも、部活動指導の負担に加えて、事件、事故が起こる度に対策のための仕事が増えること、また新しい制度により仕事が増えるものの、減るものはないことから、平日の超過勤務、土日の時間外勤務は増える一方だといえる。学校全体としてどの業務を行うのか、どの業務は削減していけるのか、学校全体の運営が大きな問題だと考えられる。 縦断的調査の分析を引き続き行い、自由記述の結果も参考にして、どのようにバーンアウトを低減できるか、今後モデル作りを行っていく予定である。
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