研究概要 |
(1)学校現場における問題行動は多岐にわたり,様々な外部機関との連携が求められ,教師は学校内,学校外を問わず,かけずり回っているというのが現状だといえる。そのような中,教師の病気休職者数は増加の一途をたどり,病気休職者数における精神疾患における休職者は6割を超え,教師の精神的健康改善は早急に対応するべき問題であると言えるだろう。教師の精神的健康については,バーンアウトに関する研究があげられる。わが国の教師を対象にしたバーンアウト研究自体が,他の対人援助職(医師,看護士など)に比べれば極端に少ないことは事実であり,バーンアウト尺度(マスラック・バーンアウト尺度)の因子構造についても一貫した結果が得られていない。そこで本研究においては,まず小,中学校それぞれにおけるバーンアウト尺度の因子構造について明らかする。 (2)バーンアウトに陥る前に歯止めをかけるためにも,バーンアウトのプロセスを明らかにする必要があるものの,教師におけるプロセスモデルの検討は,まだまだ少ないのが現状である。横断的研究はみられるが,プロセスを検討する上で,縦断的研究を行う必要があるといえる。そこで本研究ではバーンアウトのプロセスについて,縦断的研究を行いモデルの検討を行う。 (3)以上の結果をふまえたバーンアウト低減のための介入を行い,バーンアウト予防のための手だてを明らかにする。
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