本研究の目的は、小学生(高学年)及び中学生を対象に「人に支えられている実感(被受容感)と支えてもらえる期待(社会的自己効力感)」を育てる心理教育プログラムを構築すること、心理教育プログラムの効果量、効果持続性を検討するための測定ツールの改定・開発を行うことにある。また不登校児童生徒への実施を視野に入れ教育支援センター(適応指導教室)で実施可能なバージョンを構成しその実施効果測定も行うことにある。平成21年度は、まず心理教育プログラムプロトタイプを小学生、及び中学生対象に実施し、測定ツールを用いてのプログラム効果量、効果持続性の検討を行った。測定ツールは、本研究において改定・開発した「児童生徒用被受容感・被拒絶感尺度」の他、児童用社会的自己効力感尺度、対人的自己効力感尺度、児童用社会スキル尺度、中学生用社会スキル尺度などを参考に尺度を検討し対人関係場面での自己効力感について測定した。効果測定の結果をもとにプロトタイププログラム内容を再検討した後、「子どもの被受容感を育てる心理教育プログラム」を完成させた。さらに完成版心理教育プログラムを小学生、及び中学生を対象に実施し、完成版心理教育プログラム効果量、効果持続性の検討を目的に、プログラム実施前・実施後・実施後から1ヶ月経過後にわたり測定ツールを用いての効果測定を行った。現在プログラム効果について測定結果を解析中である。効果持続性の検討は平成22年度も継続して行う予定である。他、教育支援センター(適応指導教室)で実施可能なバージョン構成に向け、21年度中に国内での情報収集を行った。
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