• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

内科疾患における心のケアに関する実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20530628
研究機関京都大学

研究代表者

河合 俊雄  京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (30234008)

キーワード心身症 / 病態水準 / 自我境界 / 描画テスト / 半構造化面接
研究概要

甲状腺疾患は、古くから心身症の1つとして挙げられ、その心理的側面の重要性はこれまでも指摘されてきた。
前年度の研究を引き継ぎつつ、バウム・テストと半構造化面接を用いて、バセドウ病(機能亢進)、慢性甲状腺炎(機能低下)、結節性甲状腺腫の間を比較しつつ、今年度はさらに対照群として神経症群のデータをとった。
神経症群との比較によって、3つの甲状腺疾患患者のパーソナリティがより明らかになった。1.描画テストによると、バセドウ病が一番水準がよくて、比較的神経症に近く、これまで心身症と考えられてこなかった慢性甲状腺炎と結節性甲状腺腫の患者の方が、病態水準が悪く、いわゆるアレキシサイミアの特徴を呈することが示唆された、2.半構造化面接によると、バセドウ病の人が一番心理的な問題に近く、また関係性に生きていて、慢性甲状腺炎は隠れた形での関係性が重要、結節性甲状腺腫では社会的疎通性が欠け、場の意識が希薄ということがわかった。
さらに、縦断的研究においては、バセドウ病においてホルモン値が正常化された人では描画テストによると自我境界の改善が見られたのに対して、ホルモン値が正常化されない難治性の人では自我境界の改善が見られず、ホルモン値の変化と、心理的指標の関連が認められた。
従来心理的問題が関連していると考えられてきた身体疾患よりも、むしろ純然たる身体疾患と考えられてきたものの方が、こころからの解離という意味では重篤であることが示唆される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] バセドウ病患者のホルモン値とバウムテストの関連性2010

    • 著者名/発表者名
      田中美香・金山由美・河合俊雄・桑原晴子・深尾篤嗣・梅村高太郎・長谷川千紘・鍛冶まどか・谷垣紀子・窪田純久・宮内昭
    • 学会等名
      第53回日本甲状腺学会
    • 発表場所
      長崎
    • 年月日
      2010-11-12
  • [学会発表] 甲状腺疾患患者の主体性について(1)-NEO・FFI・バウムテストから-2010

    • 著者名/発表者名
      河合俊雄・長谷川千紘・梅村高太郎・鍛治まどか・谷垣紀子・田中美香・金山由美・桑原晴子・深尾篤嗣
    • 学会等名
      第29回日本心理臨床学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] 甲状腺疾患患者の主体性について(2)-半構造化面接から-2010

    • 著者名/発表者名
      長谷川千紘・河合俊雄・梅村高太郎・鍛治まどか・谷垣紀子・田中美香・金山由美・桑原晴子・深尾篤嗣
    • 学会等名
      第29回日本心理臨床学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] 医療と心理療法の接点2010

    • 著者名/発表者名
      河合俊雄
    • 学会等名
      第19回日本有病者歯科医療学会
    • 発表場所
      神戸(招待講演)
    • 年月日
      2010-04-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi