認知矯正療法を普及し治療フィデリティを保つため、認知矯正療法治療者ワークショップを国内外で開催し、のべ60名の臨床家を訓練した。また国内の大学で認知矯正療法に関する講習をし、治療者スーパービジョンを実施し、患者の認知課題、標的認知領域、治療者介入、出席率の改善について指導した。山陰地域の5医療施設で認知矯正療法に参加した統合失調症患者のデータをもとに認知機能、精神症状、社会機能の変化を検討したところ、半年間のセッション参加後、認知機能には統計的に有意な改善、社会機能には改善傾向が認められた。精神症状には変化は見られなかったが、これは先行研究と一致した結果であった。これらの結果について日本心理臨床学会、日本認知療法学会、日本統合失調症学会などで研究発表を行った。 認知矯正療法における内発的動機付け変化を測定するための尺度Intrinsic Motivation Inventory for Schizophrenia (IMI-SR)の信頼性と妥当性に関する論文をSchizophrenia Bulletinに発表した。日本語版(IMI-J)を日本の統合失調症患者を対象として標準化の手続きを開始した。再検査信頼性を検討するためにIMI-Jを1ヶ月間隔で2回実施、また妥当性を検討するために、PANSS、SDSS、SF-36を実施している。
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