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2010 年度 実績報告書

失語症者の日常コミュニケーション自立度評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20530635
研究機関県立広島大学

研究代表者

吉畑 博代  県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (20280208)

研究分担者 本多 留美  県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (10290553)
吉川 ひろみ  県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (00191560)
キーワード失語症 / コミュニケーション / 評価
研究概要

脳血管障害に伴って生じる言語障害である失語症を評価する方法としては,既存の検査がいくつかある。しかし失語症者の日常コミュニケーションの様子を,観察手法によって調べる検査は未だみられない。本研究では,失語症者の日常コミュニケーション自立度評価法を開発することを目的にした。
今年度は,1つには,重度失語症者と会話パートナーとの1対1の会話場面を設定し,両者のコミュニケーション方法を分析した。2つの会話場面を設定し,1つは重度失語症者が関心ある話題(趣味など)について会話を行う場面,もう1つは4コマ漫画の説明場面とした。その結果,両場面ともに,会話パートナーが,「確認」や「閉鎖的な質問」などの技法を用いて,重度失語症者が反応しやすいコミュニケーション方法を提示することによって,重度失語症者の表情や会話への意欲などが,よい方向に変化することが明らかになった。つまり,重度失語症者の日常コミュニケーション自立度は,周囲の人々のコミュニケーション方法に影響を受けることが明らかになった。
2つめとして,失語症者が自分自身の日常コミュニケーションをどう捉えているか,つまり当事者本人が考えるコミュニケーションの遂行度と満足度を調査した。計9名を対象に,本人へのインタビューと質問紙によって検討した。その結果,全対象者ともに,コミュニケーションの満足度は比較的高い傾向にあった。一方,遂行度に関しては,「話す」面への評定が,「聞く」など他の側面に比べて低く,失語症者は「話す」面への不自由を感じていることが明らかになった。また「できない」とあきらめている思いも見出され,今後,日常コミュニケーション場面への介入が重要であることが示唆された

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 重度失語症者に対する会話パートナーのスキル分析2011

    • 著者名/発表者名
      西村亮太
    • 雑誌名

      県立広島大学コミュニケーション障害学科卒業研究論文集

      ページ: 65-76

  • [雑誌論文] 失語症者の日常コミュニケーション満足度に関する検討2011

    • 著者名/発表者名
      平山孝子
    • 雑誌名

      県立広島大学コミュニケーション障害学科卒業研究論文集

      ページ: 77-88

  • [雑誌論文] 失語症者の参加への取り組み2010

    • 著者名/発表者名
      吉畑博代
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 27巻 ページ: 131-140

  • [学会発表] 失語症者への意味的訓練と音韻的訓練の効果について2010

    • 著者名/発表者名
      吉畑博代, 佐藤千寿子, 小山美恵
    • 学会等名
      日本コミュニケーション障害学会
    • 発表場所
      姫路市市民会館(兵庫県)
    • 年月日
      2010-05-30
  • [図書] 失語症訓練の考え方と実際2010

    • 著者名/発表者名
      吉畑博代
    • 総ページ数
      129-147
    • 出版者
      三輪書店

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2014-04-03  

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