研究課題/領域番号 |
20530641
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
増田 真也 慶應義塾大学, 看護医療学部, 准教授 (80291285)
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研究分担者 |
北岡 和代 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60326080)
上野 徳美 大分大学, 医学部, 教授 (50144788)
荻野 佳代子 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20308159)
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キーワード | バーンアウト / 介入 / 不合理な信念 / 首尾一貫感覚 |
研究概要 |
本研究は大きく分けて、3つのタイプの介入プログラムと調査研究からなる。まず、(1)個人を対象とし、「仕事とうまくつきあうための6つの戦略」を適用したものに関しては、介入事例を増やすと共に、介入の実施可能性や効果を分けるポイントについてまとめた。本方法によって常にバーンアウトが軽減するわけではないが、仕事について振り返り、現状を改善するための目安になることから、バーンアウト介入プログラムの一つとして実用になる目途がついた。 (2)看護師のグループ研修時に適用する不合理な信念の修正を主としたプログラムについては、さらに数回の介入を実施し、成果検証を行った。その結果、短期間のプログラムではほとんど効果が見られず、少なくとも2週間おきに計4回のセッションを行わないと、不合理な信念の変化とバーンアウトの軽減効果が見られなかった。研修という限られた時間内で介入をする際の方法や、目標の設定などの工夫が必要であることが明らかになった。 最後に(3)新人看護師を対象とした首尾一貫感覚(SOC)を向上させるためのプログラムでは、新人看護師の入職直後、半年後、1年後のバーンアウトとSOCの変化を検討した。するとバーンアウトは入職後短期間のうちに高まるが、早期の介入や支援によって、例年の同時点より離職者は大きく減った。ただし、SOCの向上やバーンアウトの軽減効果は十分に見られなかった。今後さらに継続してデータを集めることにより、離職率軽減効果がどの程度続くのかや、長期にわたってもやはりバーンアウトの軽減が見られないのかなどについて検討する。 3つの研究に共通して、バーンアウトへの介入において敏感な尺度項目が何であるのかについての検討が必要であるという課題が浮き彫りになった。以上の成果については、平成23年度中の心理学系学会において発表の予定である。
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